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第27話 屈辱のパーティー④

Author: 花柳響
last update Last Updated: 2026-01-07 18:00:05

 その表情は、能面のように無表情。けれど、纏っている空気は、近づく者すべてを凍死させるほどの絶対零度の怒気を孕んでいる。

「せ、征也様……」

 エリカの声が上擦る。

 征也はゆっくりと、音もなく私たちに近づいてきた。

 私を見下ろす瞳。跪き、エリカの靴に手を伸ばそうとしている私を見て、彼の眉間が僅かに、けれど決定的に不快そうに歪んだ。

「掃除の真似事か? こんな場所で」

「あ、あの、私がワインをこぼしてしまって……それで、月島さんが気を利かせて……」

 エリカが慌てて言い繕う。征也は彼女を一瞥もしなかった。

 ただ、私の腕を乱暴に掴み、強引に立たせる。

「……っ!」

 体が浮き上がるほどの力。よろめいた私を、彼は自身の胸元へと引き寄せ、支えた。

 そして、ようやくエリカへと視線を向ける。

 ゴミを見るような、冷酷で、あからさまな拒絶の視線を。

「……高嶺さん」

 静かな声だった。けれど、会場中の人間が息を止めて聞き入るほどの威圧感があった。

「勘違いをしているようだが、こいつは俺が雇った人間だ。俺以外の命令を聞く義務はない」

「で、でも、彼女はただの家政婦で……私の靴を綺麗にするくらい、当然の礼儀でしょう?」

「礼儀?」

 征也は鼻で笑った。

 その笑みには、エリカの存在価値そのものを否定するような、残酷な響きがあった。

「あいにくだが、その家政婦の手も、時間も、全て俺が買い占めている。一秒たりとも、他人のために使わせるつもりはない」

 征也の腕が、私の肩を抱きしめる力を強める。

 まるで、所有印を押すかのように。

「この女に触れていいのは、俺だけだ。……汚い靴を近付けるな」

「き、汚い……!?」

 エリカが絶句し、顔を真っ赤に染める。

 征也はそれ以上彼女を相手にせず、私の肩に手をか
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